伝統を受け継ぐ「 織物・染物」

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時代や社会とともに変容を遂げてきた素材


日本の染織は中国の影響を大きく受けており、紀元前 3世紀頃に伝えられた絹を筆頭に、数々の技法がもたらされました。平安時代( 794 〜 1185年)の公家文化、安土桃山時代(1573 〜 1603年)の武家文化、江戸時代(1603 〜 1867年頃 )の町人文化など時代ごとの美意識を反映して発展を遂げています。

多くが高貴な人のために作られた絹製品で、14世紀から明治 2(1869)年まで天皇が住んだ京都には「西陣織」「京友禅」「京繍」など多彩な伝統的工芸品が残ります。ほかの地域でも支配階級向けや献上用として個性豊かな染織が作られました。

一方「羽越しな布」「阿波正藍しじら織」など庶民に愛用された品の、素朴な味わいが見直されています。

現在は衣習慣の変化により着物の日常使いはごくわずかです。需要の減少や技術継承など課題は多いものの、長い時間と手間をかけ、手作業ながら驚くほどの細密さで作られた染織や刺繍は非常に美しく、ものづくりの確かな技術がうかがえます。
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