高度な伝統技術の融合「家具・仏壇」
「家具・仏壇」特集森林資源に恵まれた日本では 、古くから木工品がさかんに作られ 、発展してきました。木工品のなかでも日本の伝統的な収納家具である「箪笥」や、寺院の宮殿を家庭用に小型化した「仏壇」は、製造工程が複数に分かれ、完成までに長い時間がかかります。箪笥は箱型で引き出しがつく構造で、仏壇の多くは正面に両開きの扉があり、屋根と引き出しのある台座がついています。いずれも隙間なく正確に木材を組み合わせ、細かな装飾を加えて仕上げる高度な技術が必要とされます。工程ごとに専門の職人が存在し、釘や接着剤を使わず木の板だけで箱を組み立てる「指物」、木の特性に合わせて何種類もの小刀を使い分け細やかな彫刻を施す「彫り」、天然塗料である漆を塗って木目の美しさを保つ「塗り」、銅板などの金具に文様を打ち出す「飾り」といった日本独自の加工を施します。代々受け継がれたいくつもの技術が集結したものが、日本の伝統的な家具・仏壇なのです。
匠の技が光る日本の「金工品」
日本独自の職人技術によって生み出される上質な品々。Made in Japanの「金工品」特集弥生時代に鉄器と青銅器が渡来して以来、日本でも国産の金工品が作られるようになりました。その後、食器や刃物、農具、茶道具など、日常使いの金工品も登場するようになります。金工品の作り方には大きく分けて、「鍛金」と「鋳造」の 2つがあります。「鍛金」とは、金属をハンマーなどでたたいて打ち延ばし成型する方法で、金属内部の結晶が圧縮されるため粘り強さと硬度が出ます。そのため刃物や器など、薄くて強度が必要な金工品を作る際に使用されます。「鋳造」は金属を溶かして金型に流し込み、冷やして固める方法です。重くて厚みが出る技法で、銅器や鉄器などに使われます。職人の匠の技で細部まで作り込んだ、日本独特のテイストを感じられる日本の金工品は、海外のバイヤーの間でも人気が高まりつつあります。金工品の産地は、東北地方から九州地方まで各地にあり、伝統的な工芸品とともに、今日のニーズに応えた装飾品やカトラリーなどを現代に生みだしています。
和のこころと温もりを感じる「生活雑貨」
生活を豊かにしてくれる「用の美」持っているだけで 毎日の生活がほんの少し豊かになって、自然と心地よくなれるもの。また使い込むほどに味や愛着が増して、いつもそばに置いておきたくなるもの。日本人の日々の暮らしを支え、何気ない日常を彩ってくれる生活雑貨は華美ではない分、実用的で使いやすく、さらにデザイン性をも兼ね備えた逸品ぞろいです。大正時代に民藝活動をおこした柳宗悦は「真の美とは日々の暮らしの中で使うものの中にこそある」と言いました。彼の提唱した「用の美」という概念は、簡素でありつつも凛とした佇まいで、使い手にとことん寄り添うかたちや、一切のむだを省いた造形美のなかに、ものの本質が脈々と息づくということを伝えているようです。また手しごとならではのあたたかみや、時とともに絶妙な経年変化を楽しめることも工芸品ならではの魅力だといえるでしょう。
産地ごとの多種多様な作風を愛でる「陶磁器」
伝統を継承しながら進化を続ける多種多様な工芸品普段使いの器から美術的価値の高い茶碗や花器、また鑑賞の愉しみを与えてくれる壺やオブジェまで、日本人の暮らしに溶け込んでいる陶磁器。「陶磁器」とは粘土を主原料とし約700〜1,300度で焼く陶器と、砕いた陶石が原料で約1,200 〜 1,300 度で焼成する磁器から成ります。しかし両者は同じ “ やきもの ” でありながら原料の違いだけでなく、手ざわりや器肌の色味、趣においても一線を画する存在です。さらに技法の違いや産地の気候風土といった地理的条件、窯ごとの特性、作家の個性や表現の幅に触れることで、多様性に満ちた日本ならではの陶磁器の奥深い魅力が見えてくるでしょう。そのバリエーションは、全国に222品目が存在する伝統的工芸品の中で陶磁器は 31 品目と、織物に次ぐ数の多さからも明らかです。
伝統を受け継ぐ「 織物・染物」
時代や社会とともに変容を遂げてきた素材日本の染織は中国の影響を大きく受けており、紀元前 3世紀頃に伝えられた絹を筆頭に、数々の技法がもたらされました。平安時代( 794 〜 1185年)の公家文化、安土桃山時代(1573 〜 1603年)の武家文化、江戸時代(1603 〜 1867年頃 )の町人文化など時代ごとの美意識を反映して発展を遂げています。多くが高貴な人のために作られた絹製品で、14世紀から明治 2(1869)年まで天皇が住んだ京都には「西陣織」「京友禅」「京繍」など多彩な伝統的工芸品が残ります。ほかの地域でも支配階級向けや献上用として個性豊かな染織が作られました。一方「羽越しな布」「阿波正藍しじら織」など庶民に愛用された品の、素朴な味わいが見直されています。現在は衣習慣の変化により着物の日常使いはごくわずかです。需要の減少や技術継承など課題は多いものの、長い時間と手間をかけ、手作業ながら驚くほどの細密さで作られた染織や刺繍は非常に美しく、ものづくりの確かな技術がうかがえます。

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匠の技が光る日本の「金工品」
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